DIARY02
彷徨日記
2022
失意泰然、
得意淡然、
素意端然。
失意泰然――
 失するに動ぜぬ形で在れ。
得意淡然――
 得するに驕らぬ為で在れ。
素意端然――
 毎するに弛まぬ生で在れ。

嗚呼彷徨譚――、
 うねりなき深淵こそを道と知れ。
 けり 2022.02.07 すっかり遅くなってしまいましたが、新年明けましておめでとう御座います。
今年も一年、あちこち火傷した体で、ぼろぼろになった靴を履いて、進んでいこうと思います。

新年といえば……、と続けてきた抱負――
今年の抱負は、奇しくも昨年の内に思い至っておりました。

2009年「絵を描く!」
2010年「続ける事」
2011年「邁進」
2012年「迅速と忍耐」
2013年「不屈自立」
2014年「大変を楽しむ」
2015年「貫徹」
2016年「突破口へ」
2017年「突破る」
2018年「生涵養」
2019年「“雨雲の少年”を仕上げる」
2020年「進境地」
2021年「果架」

昨年の抱負、「果架」は惨憺たる落ちでした。
思いの内を愚直に記すなら、荏苒という語で表されるような一年です。

勿論、身の丈を越えるほどに、ありがたい事、ありがたい縁、ありがたい時間もたくさんありました。
制作の面でいうと、確実に次への足掛かりを作ることも出来たと思っています。
同時、情けないほどに不憫な自分の有り様、生き様が、それら全てを台無しにしていたように思います。

そうしてくたくたになっていた年の瀬に、二つ、憧憬を呼び覚ます“音”に出会いました。


一つは、purikokoさんの作る、新しい音です。
この救いは、僕の人生の全てだと思います。
これについては、来たる時にも改めて触れたいと思っています。

もう一つは、長いことファンを続けている、「HALO」というゲームシリーズの音でした。

あまり触れ回る機会もないのですが、個人的にゲームサウンドという概念を敬愛しています。
愛を語る時間を得られるならば作曲家の、近藤浩治氏、David Wise氏、Martin O'Donnell氏を延々語れます。
そのMartin O'Donnell氏の生みだした音が、HALOシリーズの音楽なのです。

……、語り出すと脱線して止まらないのですが……、
近藤浩治氏が「ゲームサウンド」という概念を定義したとすると、
Martin O'Donnell氏はその定義を汲みつつ、フィルムスコアリング水準まで持ち上げた方……、だと思っています。
(……、David Wise氏は神、Hans Zimmer氏が神の親、purikokoさんが神の子だと思っています。)

……、話を戻しまして、HALOの音。
色々な経緯あって、Martin O'Donnell氏はHALOシリーズの制作に、もう長らく関わっていません。
開発自ら認めるシリーズ自体の迷走もあって、
ここ十年ほど、HALOの音はどんどん様変わりしていきました。
結果として、HALOシリーズの音、自分の好きだった音は消えてしまいました。

しかし昨年末に登場したHALO最新作が、同氏の音をこの上なく良い形で引き継いでいたのです。
同氏の生みだした流れを受け継ぎ、次のステップに進めたような凄まじいサウンドデザインです。
本当に久々に、愛してやまなかった音に触れた気がしました。
……、これも語り出すと止まらないので……。


――という事がありまして。
色々とHALOにまつわる彼是に思いを馳せていた昨年末でした。
そんな折に、来年の趨勢も並行して考えていました。
自身の現況や今後の展望を思えば、此れからの課題は簡潔で、“けりをつける”事です。
「なにか、HALOにもそういう事あったな」と思い返し、それを侭に抱負にしようと思い抱いたわけです。
という長い前置きを経まして、今年の抱負――

Finish the fight.

横文字抱負です。
実は、HALOモチーフの抱負を掲げるのは二度目です。
2016年「突破口へ」
この抱負、大元はシェイクスピア描くヘンリー5世の演説の一節なのですが
元HALO開発陣がそれを「もう一度突破口へ」と切り出して引用していたのがとても印象的で、使用したものでした。
その2016年からはじまった、僕個人の突破口への戦い、これにちゃんと“けり”をつけたい。
落ちが何れであれ、“けり”をつけたいのです。

いつまでも幻想のようにチラついて、形にならないそれは本当に夢幻のようになってしまい。
ぬるま湯のようになってしまったそれは、僕の甘えであり、飢えでもあります。
次の戦いを始める為にも、この戦いに“けり”をつける――、それが今年の抱負です。


えらい脱線しながらの最初の日記でした。
満足に更新も出来ていませんが、文をしたためるのはやはり楽しい事ですね。

……、最後のもう一つだけ脱線をば。
今年の抱負と同名のMartin O'Donnell氏の楽曲もあり、そちらも大好物ですが……
同氏の同シリーズの曲としては大本命”One Final Effort”、“Warthog Run”を推します。
興味ありましたら是非、……とはいえ、ゲームサウンド。
「劇伴水準の音楽がプレイと共に、リアルタイムで変化していく!」という体験がやはり肝です。
……あかん延々語りたい。
(“Tip of the Spear”とか“Leonidas Returns”とか“ODST Finale”とかも……。)

こんな形りでも十年続けたんですから、風変わりな始まりだってあるもんです。
それでは結尾――
たくさんの方にとって幸多き一年であることを祈念して、大遅刻の新年の挨拶と代えさせていただきます。
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